派遣・契約社員から正社員になる 待遇改善か転職か

法律の追い風

今年は雇用環境において「2007年問題」と騒がれた年です。「団塊の世代」が大量に定年を迎える最初の年で、雇用環境変化の年でもあります。つまり、正社員が大量に辞めて行くということが起こり始める時期にあたり、今後数年、団塊世代の退職が続きます。同時に「技術の伝承」ということも問題になっています。「仕事の匠」が長年培ってきた技術、引き継ぐべき技術がきちんと引き継がれないという事態になりつつあります。何しろ、仕事の現場に伝承すべき対象となる正社員がいないという状況があるからです。派遣社員や、契約社員が仕事の現場で大半を占めるような状況も生まれ、加えてバブルがはじけてからリストラという大量の人員整理が行なわれ、一定時期正社員の雇用もありませんでした。企業の今後を担っていく中堅の30〜40歳代の社員がいないことに気付かされました。そのような状況改善のひとつとして、今年の4月から「パートタイム労働法」が改訂されました。その中で「通常の労働者への転換の推進」(第12条)として、パートタイム社員の正社員への転換の措置を講ずることを義務化する旨が条文でうたわれています。また、派遣社員の世界でも正社員をめざす派遣のかたちがあり、時代の要請に応えて「正社員への道」は大きく門戸を開いたといえます。